境界線

コンビニ人間」(村田紗耶香)パルナッソスのあの人たちの小説のほうが難解で面白いんだけどとちょっと思ってしまった。コンビニで働いてる人にはうん、うん、わかるというくだりが多々あって楽しいだろう。主人公が小さい頃の焼鳥のエピソードが強烈である。こういう風に思う人も少なからずいるはずなのだ。でもそこを黙殺してしまう世の中。彼女が納得できるように話をするべきなのだ。でもそこを深く掘り下げてはいかない。コンビニで立派にマニュアル人間として活躍する主人公。新しく入ってきたちょっとアブない後輩。こいつも相当きてて、もう1行読んだだけであぶない奴で読むものを不快にしていく。でもこのあぶない後輩となぜか一緒に住むというか部屋にいれてしまう主人公。ヒートアップしそうでしない物語。村田さんでいえば「変愛小説集」の中に入ってる「トリプル」のほうが断然面白いのだが。もう一度、コンビニ人間、読んでみるか。