塩の街

有川浩のデビュー作,角川文庫.
各章のお題目が長いのだ.例えば最初は「街中に立ち並び風化していく塩の柱は,もはや何の変哲もないただの景色だ」とある.
章ごとに主役の秋庭と真奈に関わる人が違う.シーン1ではくそ重いリュックを背負い,行き倒れになりかけた遼一を高校生の真奈が拾うとこから始まる.
東京湾に巨大な白い隕石のようなものが落下.塩が街を飲み込む,人が塩化したら防ぐすべはなし.
遼一は海に塩化した女の塊を持って行くため,群馬から東京へ歩いてきてたのだ.
次に現れたのが銃を持った脱獄囚のトモヤで,高校生の真奈をあからさまに狙う.秋庭は真奈とは恋人かと聞かれ,他人だと答えたからトモヤは銃で脅しながら真奈に命令する. がトモヤも塩化されていた.
次の章で小学校で歌ったあの懐かしい「グリーングリーン」が登場.さて後半,秋庭の次にあくの強いキャラが秋庭を訪れる.彼の名は入江.立川駐屯地に秋庭と真奈を連れていき,秋庭に隕石襲撃をもちかける.
そして日本を救った後の秋庭と真奈の恋物語をじっくり読もう.真奈の視点から描かれている部分が多いが,このデビュー作が土台となり,あの図書館戦争シリーズや,五文字の三部作(海の底,空の中)へとつながっていくのだ