ボールを呼ぶ

「ダグアウトの25人」(山際淳司ベースボールマガジン社)をとあるお方に拝借して読む。この本が入ってきたら、隣には「もう一度、投げたかった」を並べたい。
読みやすいので一日で読める作品。
ベンチと最近、呼んでいるが、「ダグアウト」と呼びたいという作者。ダグアウトには塹壕という意味がある。ベンチというと、草野球などを連想してしまうな。
ダグアウトに入れる選手は25人のみ。この本には25人の選手が登場する。
カープからは、達川、レーシッチ、川口、西田が選出されている。達川がプロ入り2年目の津田に叱咤激励する場面が登場する。「なんちゅう球、ほうるんや」と津田を叱り飛ばす。「ちゃんと投げとるわい」と言い返す津田もいい。このやりとりを聞いていた大杉の顔が目に浮かぶ。こいつら、喧嘩しよると(笑)
ここは「もう一度、投げたかった」の65ページにも出てくるので、照らし合わせながら読むのも楽しい。「投手の調子がでんときは黙っといたらいかん、ボールを呼ぶんですよ」と名言を吐く達川。
読んでいて、知らない選手もいるのが野球ファンとしてはちょっと悔しい。が逆に知っている選手が出てくるとテンションが上昇。
田尾のページも中日ファンならずとも読みがいがある。首位打者争いをしていてもちゃんと試合にでる。自分が納得いくバッティングができればいいと。消化試合で、タイトルをチームメイトにとらせようとして、やたら敬遠したりするんだけど、ほんと、あれ、興ざめだよな。ああいうのがつまらなくするんだよ。ファンはね、敬遠を見に高い金払って来てるんじゃないぞ。
淡口、山本功児などもでてきて、へぇ、淡口ってこんな性格だったのかと知らされる一面などもあり、野球ファンには興味深い一冊。
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