付録には書店員の汗と努力も混じっている


女性誌を珍しく買う。その名はフラウ。女性誌を買うなんて、滅多にないのだが、東方神起のポストカードが付録となれば話は別だ。
この付録は綴じ込みであったから、書店員は並べるだけでよい。が、バッグとかわけのわからんクリアファイルとかが雑誌にはついていることがあるが、大半は書店員の手作業があっての完成品である。
輪ゴムでつけたり、あるいはビニル詰めしたり、紐でかけたり、あれやこれやの手を使って、万引きを防止でき、しかもきれいにディスプレイできるようにせっせと朝から開店に間に合うように戦うのだ。何冊も大きい書店なら何百冊も!
そう、付録付けは時間との戦いであり、怪我とのたたかいでもあるのだ。わごむをかけようとして、ぱちーんと輪ゴムがきれ、自分までも痛みにキレそうになったり、雑誌の端で手をすぱっと切ってしまった時には、もう大変。そう、雑誌って手にとるとき、危険なのだ。出血するから、うぉぉと叫びながら絆創膏がないときはとりあえずセロテープで止血。レジに必ずあるセロテープ(笑)だから絆創膏が欠かせない。
雑誌に万が一、血がついていたら、あぁ、書店員さん、大変やねと同情しつつ、「血ぃついてんで」とレジに返しにいって頂くとありがたい。
しかもひとつの雑誌に付録がひとつとは限らない。幼年雑誌のあのいびつな付録の数々。同じ向きで2冊つむとああ、積み木くずしかいっといいたくなる様な不安定感。
これ、出版社がつけておくべきだと思う。付録込みの値段であるのだから、別々にして、あとはやってねってどうなのだろうか。出版社だって、こんなたいぎいことやっとれんと思ってるでしょ(笑)書店員だって同じだ。いや、書店員なんてサービス業きっての安月給だよ。

うちは付録はすべてレジでお渡ししますなんていう本屋が、ひとつくらいあってもいいものだがね。
そして不思議なことに返品の時、付録ははずして返すのだ。勿論、これ、書店により、取次により、ケースバイケース。だからほしい雑誌はすぐに買っておかないと入手不可になる危険性は非常に高い。

最近、女性誌で付録がないほうが少ないし、男性誌も便乗して付録だらけだ。
この付録をつける作業だけで書店員の時給は発生する。下手をすると何時間もひたすら付録つけに追われる書店員もいるだろう。「あれ、今日、レジと付録つけしかしてねぇじゃないか!」と振り返る日々。書店員とはなんなのだと内省する日々でもあった。
ゼクシィなんて本誌だけで殺人兵器になりうる重さなのに、毎回、付録も鬼のような分厚さである。腕力を鍛えるには絶好と考えよう(笑)