「毒猿」大沢在昌 光文社文庫


これは「新宿鮫」の第二弾である。このシリーズを今まで知らんかった自分がもったいない。よくあんこが嫌いなんて勿体無いといわれるのだが、それは全然、惜しいとも思わないんである(笑)
1作目よりも新宿鮫と晶のからみが出てこないのがちょっと不満だけど、それ以外はもういう事なしの一気読みの面白さである。
主役の刑事、鮫島に惹かれるのは勿論であるが、台湾からきた殺し屋や、この男についていく歌舞伎町の女、奈美までもがいいキャラクターで心ひかれていくのである。
主役だけの描写がよくて脇役がつまらなかったら、物語は成功しない。ひとりぐらいはしょうもない奴がいてもいいんだけど(笑)いい物語、面白い物語って、どれもみんながいい味だしてると思うのだ。
ぶれない人物設定が素晴らしい。この本で一番、いけすかないのは無論、あのお店の店長だろう(笑)