フリーター、家を買う。


これ、2010年に主演二宮でやってて、そのときはスルーしたんだけど、やはり、原作は有川浩だけあって、面白いっす。今度再放送したらみてみよう。というわけでフジテレビさん、早目に再放送してください(笑)
先に家を買って苦労する話かと思ったらそうではないんだね、ふむ。
有川さんの小説は東野圭吾と同じくらい、続々、映像化されているけど、この二人、出す本、出す本、面白いからそれも納得である。
どうしてフリーターごときが家を?ってそこからである。そこんとこをよおく考えてみてほしい。そこにこの物語のやりきれない思いも家族の苦悩も全部詰まっているから。これ、作者順のとこにさすのもいいけどさ、心の病気の棚にも置いてほしい本である。
就職したのに3ヶ月でやめたおばかな青年誠治は、コンビニのバイトもちょっと店長に注意された途端、さっさとやめてしまうくらい根性なしな奴である。しばらくして三食カップラーメンの日があり、おいおい、どないなってんねんと自分の部屋から出てきた誠治を待ち構えていたものは・・姉の怒涛の爆弾発言攻撃であった。
母はもうとっくに心を蝕まれていた。私はこのお母さんの病状を、症状をやりきれない気持ちで読み進めていた。自分が咎められているような、むしろ誠治より馬鹿だったなと。心を突き刺すというよりハンマーで殴られるような。お前にそんな口答えする資格あんのかいといわれているような。後悔先に立たず。誠治よりどうしようもなくて、読んでる者まで、殴り飛ばしたくなるようなやつが誠治の父親、誠一である。普通、罵詈雑言とか読み飛ばしたくなるが、この姉の批判は一から十まで正論で、うんうん、ごもっともです、お姉さまとうなずくことばかりなので、どんだけ長くても迫力があって読み飛ばせない。
この家族、このどん底からどう一歩を踏み出していくのか、そこをじっくりと読んでいってもらいたい。ただ、誠治が一生懸命頑張っているのが面白くて、私はじっくりというより、一気読みしたけどね。
誠治の就職活動も為になる。今、就職活動している人にも読んでほしいぞ。履歴書の書き方とか面接のくだりは参考になる。
これ、就職活動のコーナーにも置いてたら、私は拍手するね。