兄 帰る


「兄帰る」(近藤ようこ小学館)この人の絵は昨今のようなややもすればみづらい絵と違って、寂しさをも漂わせながらのシンプルさがある。岡崎京子とかもそんな感じでやはり少女漫画とちょっと年齢層が上になるとこういうデザインになっていくのだろうか。最近の少女漫画ってちょっと画が複雑すぎやしないかと思ってしまう。
だが内容は少女漫画に負けず、シリアスである。
行方不明になっていた兄と主人公妹、その家族の物語。油断してるとぶすっとやられるそんな漫画である。兄が行方不明になってからのあしどりをわずかな手掛かりをもとに妹と弟はつきとめていく。ちょ
この妹も弟も特別濃い、キャラでも特別気に入ったわけでもないけどちょっとこの不安定な家族が気になるのである。