私の赤くて柔らかな部分

作者ー平田俊子角川書店。私がカタリココの朗読で衝動買いした一冊。これ、平田氏のあの「ばかじゃん〜」の朗読を書店がこの本を平積みにした平台の横で流すのも面白いと思うなあ。
しょっぱなから強烈な皮肉が炸裂して私を虜にする。宮益坂のエピソードや塀長学院なんて言葉がでた時は思わず笑ってしまう。塀長学院がどこのことかは読んでからのお楽しみ。これを読んでると、塀長学院が見たくなるし、作者がいちゃもんをつけている宮益坂ものぼってみたくなる。読んだだけでも笑えるこの二箇所を平田氏が朗読され、会場は勿論、笑いの渦となり、ぐいぐいと観客を物語の中に吸い込んでいった。
主人公が失恋し、会社に行かなくなり、家に引きこもっていたが、死んだ元上司の影山さんのお別れ会に出た後で、ふらーっと電車に乗り、帰りたくなくて、終着駅まで行ってしまう。そこでとある小さな町の寂れたホテルにしばらく滞在し、自分を再生していくというお話。