たましいの場所

作者は早川義夫。といえば本屋さんの本を書いた人やねとピンときた人は本好きのレベル上がってます(笑)→「ぼくは本屋のおやじさん」
でもこの人はミュージシャンでもある。かわった経歴だなあというのが最初の印象。
本の本を読もうと思って最初に読もうと思うのがヴィレッジヴァンガードの本や晶文社からでてるこの本。あと、ジュンクの田口さんの本ね。
さて本を開く。最初の頁だ。見開きの左頁に進む。すると、おや、詩だ。
お、これいいじゃん。本って全頁に感動するかっていうと、そんな本滅多にない。付箋を貼りたくなるような箇所があちこちに、いや1箇所でもあれば、1箇所でいい、こころ動かされたら、もうその本はしめしめ、読んでよかったと思っていいのだ。勿論、なんじゃこりゃと思えば途中でやめればいいのだ。
さて、戻るぞ。その詩は金子光晴「反対」という詩で、
なにしに生れてきたと問はるれば、
躊躇なく答へよう。反対しにと。
僕は、東にゐるときは、
西にゆきたいと思ひ

そして次の頁でも、いいことをいうじゃないかと付箋に手が伸びる。
変わったのは見ためだけであり、考え方、感じ方は何一つ変わっていない。
目的と手段をはきちがえてはいけないとp18で教えてくれている。
写真を撮りたいから写真を撮るのではない。
写したいものがあるから撮るのだ。
30頁をすぎていくと評論に対しての考えが述べてあり、これもなるほどと思いながら読んでいった。
知識を披露したり、いいか悪いかを言うのが評論ではない。自分の心の中をみせて初めて評論家になれると。
p260からは作者が読んだ本が少し紹介されてあるが、ここだけでも本好きには読む価値ありだろう。