善き書店員(ミシマ社、木村俊介)

今日もゼロ。郵便局に集荷の依頼をしたら、今月はもうあかんと言われた。持ち込むしかないらしい・・あんな重いの、運べるかと内心、毒づきながら、電話を切る小悪魔ますく堂であった。
「善き書店員」を読んだ。作者は木村俊介。ミシマ社も面白い本出すなあと出た時に唸った。
著者と読者の橋渡しをする駅伝メンバーの第一走者が出版社ならアンカーは書店員である。その書店員6人にインタビューしたものが1冊となっている。こんな本なかったよなあとまずは思わせたら、本の作り手として、しめしめと思うのではないだろうか。本の本や書店特集の雑誌があまたあるが、どの本だって、似たような本を作ろうとしてやっているのではなく、何かを伝えたくて、これだけは伝えたいという想いがあるから本にするのだろう。
あなたの知り合いに書店員はいるだろうか?いない人、これ読んでみてほしい。専門用語がばしばしでてくるわけではないので、読みやすいと思う。
書店員の一日の仕事の流れなんかもわかるし、どこも長時間営業してる店はシフト一緒やなと感じるかもしれない。
定時社員(パート社員みたいなものかな)が語り、店長職の人が話したりと同じ書店員でも立場が違う色々な人が出てくる。熊本の長粼書店の店長さんの章は、特に、他の業種の人が読んでも参考になる部分もあるだろう。この店長さんは思い切って130坪あった店を本の売り場面積を100坪に減らして、ギャラリースペースも作るという大改装に取り組む。
この本にはイラストも写真も一切ない。気持ちのいいくらい、シンプルな表紙のデザインがそのまま本文になったような本なのだ。そして、この本には気持ちのいいくらい作者が黒子に徹しているのも、黒子役の書店員の本らしくていいなと思う。