図書館の神様


瀬尾まいこちくま文庫。さくっと読める。めちゃいいというわけではないんだけど、垣内君がところどころ、気になるセリフを吐くから、要注意な一冊。
バレーに青春を費やしてきた早川先生はとある事件から、バレーとは縁のない生活をし、あろうことか講師で赴任した高校の文芸部の顧問に。一人だけ部員がいて、その名は垣内君。めちゃやる気のない早川先生を懐柔していく垣内君に期待して下さい(笑)
サッカーより文学が面白いという垣内君にあり得ないという感じで川端康成の本を読み出す先生。そしていきなり笑い出す。鼻血のシーンでウケたらしいのだ。これ、読んでると文学の入口なんて敷居が低くてちょろいわあと思わせてくれる。ね、こんな先生がいるんだから大丈夫。読み方、感じ方なんて人それぞれなのだ。
このくだりも垣内君と先生の間にベルリンの壁くらい、隔たりがあって面白い。文芸部に刺激がほしいと頓珍漢なことを言う先生に、三島由紀夫がボディビルをしていたと知り、ショッキングだったと言う垣内君。そんなこと言われても興味すら湧かない先生に垣内君のこの一言がいい。「文芸部は何一つ同じことをしていない。僕は毎日違う言葉をはぐくんでいる」と。
読書感想文にもいいだろうねぇ。勿論大人が読んでも面白い1冊。

今日は放浪君、法螺さんがきてくださいました。